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2006 Dec. ●2Pac没後十年という節目であった今年はMix-CDも充実作が連発されたが、ニュー・アルバム「Pac's Life」も発売(日本盤は12月20日発売に延期)された事で、"Untouchable"や"Pac's Life"を収録した新作が相次いでリリースされている。
 「Unsolved Mysteries」シリーズを手掛けるDJ Rukizは、Big L, Notorious B.I.G.に続く第3弾として『Unsolved Mysteries: Mystery Three - 2Pac a.k.a. Makaveli』を発表した。30曲近くのBlend/Remixが次々登場して一気に聴かせてくれる内容だ。
 一方、DJ LRMの『2Pac Forever』は、1st「2Pacalypse Now」から最新作「Pac's Life」までの各アルバムから代表曲を満遍なく集めたノン・ストップMix-CD。新たなDJ Remixは収録されていないが、これぞまさに[Pac's Life]といった趣で目を惹くジャケットが印象的で、コンパクトなベスト盤として機能しそうだ。


 Mix-CDに対しては“曲がそれぞれ繋がっていて、一曲一曲をじっくり聴けない”という印象を強く抱いているリスナーも多いだろうが、今年リリースされたDJ Fatalの「Shining Serpent」、「THE LOST TAPE」、「THE UNDERGROUND RAILROAD」、そして「BLACK ANGEL OF DEATH」の4枚は、ひとつひとつの楽曲を丁寧に完結させて制作されており、そういったイメージを払拭する力作であった。DJ Mello & DJ Cinemaによる「DUETS - from NY 2 CALI」も今年を代表する2Pac Mix-CDといえるだろう。
 Mix-CDは通常のCDと違って、一度絶版となると再生産が行われない事が殆どですので、入手可能な時期を逃さないようお勧め致します。



●11月21日、2Pacのニュー・アルバム『Pac's Life』(輸入盤)がリリースされた。典型的2Pacサウンドとは若干趣が異なる現代のビートを纏った楽曲で占められるアルバムは、ファンやリスナーの受け止め方が様々と思われるが、2PacのRap自体は時代を超えて迫ってくる。
 日本盤『Pac's Life/パックズ・ライフ』は、12月6日から一週間延期された12月13日発売予定となっている。
 米国盤は全13曲だが、日本盤にはボーナス・トラックとして、DJ VladのMix-CDなどでお披露目されていた "Dear Mama - Frank Nitty Remix (featuring Anthony Hamilton)" や "Scared Straight" が追加収録される。



[2Pac New Single & Album Information 06/11/17
●ニュー・アルバム『Pac's Life』からの第一弾シングル「Untouchable -Swizz Remix-」と第二弾シングル「Pac's Life」が、それぞれプロモーション盤に引き続き、正規12インチ・アナログ盤で発売された(CDシングルは未発売)。
 間もなく「Pac's Life」のビデオ・クリップが制作される事になっており、同曲にフィーチャーされているT.I.とAshantiが出演予定で、撮影は Tupac Amaru Shakur Center For The Artsで行われる模様。
 ニュー・アルバム『Pac's Life』のアナログLP盤(2枚組)はCDより一足早く、この週末にもアナログ盤専門取扱店に入荷される。
2006 Nov. [2Pac New Single Information 06/10/27
●11月21日リリース予定のニュー・アルバム『Pac's Life』から、第一弾シングルとなる「Untouchable -Swizz Remix-」が、プロモーション盤でリリースされた。
 "Clean Single Version"、"Instrumental"、"LP Version"、そして "Club Mix" などが収められており、クラブウケを狙える一枚として話題を呼んでいる。
 基本的には非売品扱いのプロモーション盤(12インチSingle)だが、アナログ盤専門取扱店では購入が可能だ。収録ヴァージョンの詳細は[DISCOGRAPHY - Promo Singles]をご参照ください。
 なお、ニュー・アルバム『Pac's Life』の日本盤CDは12月6日発売で、日本盤特典としてボーナス・トラックが収録される予定。



[2Pac New Album Information 06/10/25
●2Pacの未発表作品をもとに制作された楽曲で構成されるニュー・アルバム『Pac's Life』は、全米で11月21日にリリースされるが、その正式なトラック・リストが伝わってきた。
 1stシングル「Untouchable - Swizz Remix」が間もなくプロモーション盤で出回る頃で、ビデオ・クリップは「Pac's Life」が制作される事になっている。


2Pac New Album "Pac's Life" Track List
01. Untouchable -Swizz Remix- [feat. Bone Thugs-N-Harmony]
Produced by Swizz Beatz
02. Pac's Life [feat. T.I. & Ashanti]
Produced by LT Hutton
03. Dumpin' [feat. Hussein Fatal, Papoose & Carl Thomas]
Produced by Canei Finch
04. Playa Cardz Right (Female) [feat. Keyshia Cole]
Produced by Ivan and Carvin
05. Whatz Next [feat. A3 & Jay Rock]
Produced by Salih
06. Sleep [feat. Young Buck & Chamillionaire]
Produced by Sha Money XL
07. International [feat. Nipsey Hussle & Young Dre]
Produced by LT Hutton
08. Don't Sleep [feat. Lil Scrappy, Nutso & Yaki Kadafi]
Produced by E.D.I.
09. Soon As I Get Home [feat. Yaki Kadafi]
Produced by QDIII
10. Playa Cardz Right (Male) [feat. Ludacris & Keon Bryce]
Produced by Sha Money XL
11. Don't Stop
[feat. Big Syke, Yaki Kadafi, Hussein Fatal, E.D.I., Young Noble & Stormy]
Produced by LT Hutton
12. Pac's Life -Remix- [feat. Snoop Dogg, T.I. & Chris Starr]
Produced by LT Hutton
13. Untouchable [feat. Yaki Kadafi, Hussein Fatal & Gravy]
Produced by Sha Money XL



[2Pac New Album Information 06/10/21
●アルバム『Pac's Life』の発売が一ヶ月前に迫った事で、Amaru Entertainmentから正式なニュースリリースが発表された。
 この発表で明確になったゲスト陣は Ludacris、Snoop Dogg、Keyshia Cole、T.I.、Ashanti、Young Buck、Lil Scrappy、Carl Thomas、Outlawz、Bone Thugs-N-Harmony、Big Syke、Papooseといった顔ぶれで、やはり盟友であるSnoopが久々に参加していたようだ(2Pac死後リリース作品では初参加)。
 「いつも言っているのだけれど、Tupacは私達に、後に続く人達のための未来地図を残したの。そういったアーティストやプロデューサー、ミュージシャン達の驚くべき貢献がなかったら、どうやってこの偉大な仕事を成し得たらいいのか私には解らなかったわ」
 そう語るのはTupacの母であり、(Tom Whalleyと共に)アルバムのExecutive Producerであり、Tupac Amaru Shakur Foundationの創設者であるAfeni Shakurである。「Tupacは、自身が引き寄せた人達にこのプロジェクトをさせたのだと心底思うのよ」
 参加ArtistやProducer陣には、Tupacに近しい友人や仲間から、彼の音楽で育ち、影響や刺激を受けた人々まで多彩である。Tupacの情熱の炎が、死後十年経った今、また新たなアルバムを作らせたといえるだろう。



[2Pac New Album Information 06/10/18
●11月21日にリリースされる2Pacの未発表曲で構成されたニュー・アルバム『Pac's Life』。そのジャケットや主要参加陣が明らかになった。
 正式に発表されたプロモーション・ポスターやフライヤーによれば、ゲスト参加Artistは T.I.、Ludacris、Young Buck、Keyshia Cole、Bone Thugs-N-Harmony、Lil Scrappy、Outlawzなどで、各Trackを手掛けるProducerは LT Hutton、Sha Money XL、Swizz Beatz、Ivan & Carvin、そしてQD3といった面々が記載されている。
 ゲスト参加で噂されていたSnoop DoggやE-40といった名が見られないが、トラック・リストも正式に発表されていないので、全貌が明らかになるまで続報に期待したい。
 先週末頃から一部の内外インターネットでトラック・リストが出回っているが、正式に発表されたLudacrisやKeyshia Cole、Lil Scrappyの名がフィーチャーされていない曲目となっており、信憑性が著しく低いものなので、Amaru Entertainment/Interscope Recordsから間もなく発表される詳細をお待ちください。



[2Pac New Album & Single Information 06/10/11
●2Pacの未発表曲で構成されたニュー・アルバムは11月21日にリリースされるが、その詳細が徐々に明らかとなってきた。
 アルバム・タイトルは『Pac's Life』(Interscope Records: B0008025-02/ 1CD)で、1st シングルはBone Thugs-N-HarmonyをFeatureした「Untouchable (Swizz Remix)」。
 この曲は生前の2PacがDeath Row Studioで行ったFreestyleレコーディングをベースとして、Lisa 'Left Eye' Lopesがソロ作「Supernova」に収録した作品としても知られているが、今回Swizz BeatzのRemixによってまったく新たな楽曲として登場する事となった。
 アルバム・タイトル曲となる「Pac's Life」はLT HuttonがProduceを手掛け、AshantiとT.I.がFeatureされている。



●2Pac生前最後のステージとなったライヴ映像を収めたDVD「Tupac: Live at the House of Blues」をリリースしたEagle Rock Entertainment社が、10月31日に新たな2枚組DVD『Tupac: The Complete Live Peformances』を発売する。
 1枚目は昨年10月に発売された「Live at the House of Blues」と同一内容で、注目の2枚目がClub 662(Death Rowが所有していたライヴハウス)で行われたLIVE映像となっている。
 Death Row Recordsのオーナー=Suge Knightの保釈金によって出所した2Pacは、早速「All Eyez On Me」の制作に取り掛かり、95年11月5日にClub 662で行われた[Dogg Food Release Party]のステージに立っている。これは当時Death Row最新作として発表されたTha Dogg Poundのアルバム・リリース・パーティーで、"So Many Tears" や "California Love" を披露しており、この時の模様はDeath Rowから発売されたDVD『Death Row - UNCUT』に収録されていた。
 今回『Tupac: The Complete Live Peformances』に収録されるステージ映像は、恐らくこの時の模様を完全に収録したものと思われ、曲数は少ないながら貴重な映像である事は確かだろう。
 Eagle Rock Entertainmentから発売される2枚組DVDは、日本のDVDプレーヤーで原則再生できないリージョン1指定がなされている上に、「Live at the House of Blues」を既に所有しているファンにとっては微妙なコレクターズ・アイテムとなってしまう。
 しかし幸い、日本版 DVD「Live at the House of Blues」をリリースしたハンドカッツレコード/SELECT DISTRIBUTIONが、日本版 DVD『Tupac: Club 662 Las Vegas』(Club 662の映像を収めたDiscのみ)を11月8日に発売する事になっている。


"Tupac: Club 662 Las Vegas" Chapters
01. Ambitions Az a Ridah
02. When We Ride
03. So Many Tears
04. All About You
05. California Love
06. Who Got Some Gansta Shit? [Tha Dogg Pound]
07. For All My Niggaz & Bitches [Tha Dogg Pound]
08. New York, New York [Tha Dogg Pound]
09. Cyco-lic-no [Tha Dogg Pound]
10. Ain't No Fun [Tha Dogg Pound]
11. One By One [Tha Dogg Pound]
12. Respect [Tha Dogg Pound]
13. Dogg Pound Gangstaz [Tha Dogg Pound]
14. Big Pimpin [Tha Dogg Pound]
15. What Would U Do? [Tha Dogg Pound]
2006 Sep. ●2PacのMix-CDを次々リリースしているDJ Fatal (Cali Untouchable DJs) がDJ Hitmanとタッグを組み、2Pacの没後十年にあたる2006年9月13日に最新作『2Pac: Black Angel Of Death』を発表した。
 今回も2PacのRapを新鮮に聴かせるメロディアスなビートを巧みに使用したこだわりの仕上がりとなっている。
 "Lauryn Hill: So Much Things To Say"をサンプリングしたMethod Manの話題作"Say"を使った"Thugz Mansion"や、Johnta Austinの"Turn It Up"を使った"Can U Get Away"、Miri Ben-AriのViolinが印象的な"I've Been Waiting On You"使いの"There U Go"などが次々飛び出してくる。
 DJ Fatalがこれまでリリースした「2Pac: Shining Serpent」、「2Pac: THE LOST TAPE」、「2Pac: The UNDERGROUND RAILROAD」を楽しめたファンならばチェックしておきたい一枚だ。
 他DJの2Pac関連最新Mix-CDとして、Dungeon Family (Organized Noize, Outkast, Goodie Mob) のビートとブレンドしたRemixで構成された「DJ Simonsez & DJ Set It Off/ 2Pac: Dungeon Immortal - The Thug Below」、DJ Butta久々の新作「DJ Butta/ Makaveli Part5 - 7Deadly Sins」がリリースされている。
 相変わらず2PacのMix-CDは人気が高く品切れになりやすいのが現状なので、入手が可能なタイミングを逃さないようご注意ください。



[2Pac New Album Information 06/09/13
●没後十年という節目にあたる2006年、2Pacの未発表曲で構成されたニュー・アルバムがリリースされる。
 Amaru EntertainmentやInterscope Recordsから正式な発表は行われていないが、Amaru EntertainmentのDina LaPoltが暫定情報を明らかにしている。
 注目のプロデュース陣は、G-UnitのTrack Makerで最近はBusta RhymesやMobb Deepの新作も手掛けたSha Money XL、Swizz Beatz、Faith EvansやMusiqを手掛けるIvan & Carvin、OutlawzのEDI、LT Hutton、そしてDaz Dillingerの名が挙がっている。
 ゲスト参加陣として、Snoop Dogg、T.I.、E-40、Krayzie Bone、Young Buck、そしてOutlawzという面々が予定されているようだ。
 2006年初頭からこのプロジェクトはスタートしており、間もなく完成するアルバムは11月に発売予定となっている。


●90年代半ばに一世を風靡したDeath Row Records。Dr. DreやSnoop、Dogg Pound、そして晩年の2Pacが在籍したこのレーベルが、創設15周年を記念してコンピレーション・ベスト盤をリリースするという。
 2枚組CDには代表曲やRemix、そして未発表作品が収録され、同封のDVDには20曲以上のミュージック・ビデオやインタビューが収められる予定。
 2Pac関連曲として収録が予定されているのは、"California Love"を筆頭に、サントラ盤「Gridlock'd」から"Never Had A Friend Like Me"と"Wanted Dead Or Alive"、「Gang Related」からは"Life's So Hard"と"Made Niggaz"、「Above The Rim」でお披露目となった"Pour Out a Little Liquor"・・・そして劇中に使用されながらサントラ盤には未収録だった"Pain"と、Naughty by Nature's Treachらと共演したオリジナルの"Loyal To The Game"となっている。
 この『Death Row's 15TH Anniversary』は10月31日発売予定(11月現在、発売が確認されていないので中止となった模様)。



●「Tupac: Resurrection 1971-1996」や「Thru My Eyes」といったAmaru Entertainment公認の書籍を発行してきたAtria Booksが、Tupacの公式バイオグラフィーとなる豪華箱入りアートブック『TUPAC SHAKUR LEGACY』(洋書)を出版した。
 あの悲劇的な死から十年。Jamal Joseph(作家、監督、詩人、大学教授)が著した『TUPAC SHAKUR LEGACY』(トゥパック・シャクールの遺産)には一冊の本という以上の意味がある。著者はTupac Shakurの叔母であるGloria Coxと、Tupacの親友の一人であり家族の信頼も篤いMolly Monjauzeの2人と仕事を進めた。公共の場では決して見せる事のなかったTupacのパーソナルな部分を知るこの2人は、これまで表に出る事のなかった個人的な記事などを何年もかけて収集し、この著作のコンサルタントもつとめている。
 Gloria Coxは語る。「熱心に、いつもとても深い繋がりを求めているファンのために、Tupacのパーソナルな部分―思い出や事件など―も表に出す時期ではないかと。自身の目から見たTupacの人生が、様々な角度から解る本です」


 そうなのだ。この本は彼自身が、最高に自信満々でありながら最高に傷付きやすい己を見ているという視点に立って、このスーパースターを描いたという点で際立っている。これを読み、付属のCD[Tupac Speaks]を聞けば解る。Tupacとは名をなす前から桁外れの人間だったのだと。
 勿論、親近者しか知らぬ話の中にはハーレムでの幼少時代、あれよという間にのし上がったスターダム、絶頂期などの事も含まれている。勇気と暖かさに満ち、誠実さと情熱の中にも野心を持った、そんな一人の非凡な人生が余すところなく描かれた一冊である。
 『TUPAC SHAKUR LEGACY』は、貴重な写真、近親者だけが知るエピソード、20以上にも及ぶ歌詞、詩、契約書、アルバム制作メモ、その他個人的記録(全て直筆)なども収めたスリップケースのスクラップブックとなっており、まさに「ポータブル・ミュージアム」だ。


●9月13日に2Pac没後十年を記念したMix-CD『Black Angel Of Death』をリリース予定のDJ Fatalだが、9月下旬にはOutlawzのMix-CDもリリースする事が明らかになった。
 OutlawzのYoung Noble提供音源をもとに制作されたというMix-CD『Outlawz Retribution - The Lost Album: 10 Years Later...』は、1996年から1997年のDeath Row Records在籍時代にレコーディングされたOutlawzの未発表音源を中心に構成されている。2Pac/Makaveliは勿論、KadafiやHusseinそしてNapoleonといった旧メンバーも参加した楽曲を聴く事が出来そうだ。
 主な収録予定曲は、2Pac参加の"Soulja's Story Part2"や、Daz DillingerがProduceしてPrince Ital JoeとBad Azzが参加した"Bless My Soul"など。
2006 Aug. ●[MAKAVELI BRANDED]がスポンサーとなった2PacのMix-CDをリリースしてきたDJ Fatal (Cali Untouchable DJs) が、DJ Hitmanとタッグを組んだ新作を完成させた。この最新作は、2Pac没後十年という区切りにあたる9月13日に、Mix-CD『2Pac: Black Angel Of Death』としてリリースされる予定だ。
 収録曲にはLauryn Hillをはじめとして、Tami ChynnやJohnta Austin、そしてJohn Legendといった話題のArtist名がみられる事からも、彼らの楽曲と2PacのRapを巧みにMixした作品を聴かせてくれそうだ。
 Amaru Entertainmentからリリースされる2Pacの未発表作品で構成したニュー・アルバムは、早くても今年の11月発売という事なので、それまではMix-CDでRemixを楽しんでみては如何でしょう。


●2001年以降、度々2Pacのトリビュート特集を組んできたUSA『XXL』Magazine。9月に発売予定の10月号では、没後十年を記念して2Pacが表紙を飾った特集記事「Life After Death: 2Pac」が掲載される。
 亡くなって十年の間も、生前以上に様々なかたちでその名声を轟かせてきた2Pac。今回『XXL』誌は、その軌跡を包括した決定版となる[The Definitive 2Pac Guide 1996-2006]という記事にまとめあげている。
 2PacJapan.netでは、『XXL』Magazineが2003年に特集した[The Making of MAKAVELI](アルバム「Makaveli: The 7day Theory」制作秘話)を独自に完全翻訳して近日掲載予定です。



●Tupac Amaru Shakur Foundation公認のストリートカジュアルブランド[MAKAVELI BRANDED]がスポンサーとなった2Pac Mix-CDをリリースしているDJ Fatal (Cali Untouchable DJs)。
 キャッチーでメロディアスなビートを巧みに使用したRemixが好評の「2Pac: Shining Serpent」、「2Pac: THE LOST TAPE」に続く第3弾=『2Pac: The UNDERGROUND RAILROAD』がリリースされた。
 ジャケットやタイトルからも判るように、前作2枚と比べて今回は若干ハードな仕上がりとなっている。
 2PacのMix-CDといえば、DJ Vlad, Green Lanternらによる「Rap Phenomenon」や、最近ではDJ Mello, DJ Cinemaによる「Duets」がファン必携ともいえる程の人気作となっているが、DJ Fatalは1曲ごとのRe-Mix/Re-Productionを丁寧に作り込んでいるので各曲を新鮮に楽しむことが出来るところが好印象だ。


 他DJの最新Mix-CDとしては、50Centと2Pacの疑似共演Remixをメインに展開する「Eddie Deville presents/ 50Cent+2Pac: Ride On Our Enemies」、数十曲にも及ぶ2Pacの作品を矢継ぎ早に聴かせていくノン・ストップBest「DJ Rob-E-Rob/ 2Pac: The Official」、Biggie, 2Pac, Big Pun, Big Lの4人を追悼するかたちでRemixされた「Stackhouse Recordings presents/ Four Brothers」といったところがリリースされている。
2006 Jul. ●Tupac Shakur−−時代を問わず世界中でトップ・セールスを記録するRap界のスーパースターであるだけでなく、最も認められ最も啓示的なアイコンとなり、この世を去って十年目となる今年、Afeni ShakurとTupac Amaru Shakur FoundationはA&M Entertainmenの協力を得て、大々的に『Tupac Legacy Tour』を敢行する事になった。
 このツアーは今秋 Los Angelesから始まって、アメリカ大都市を回り25公演が行われる。2Pacの時代を超えた音楽と完成されたパフォーマーとしての偉業を余すことなく伝える事によって、伝説として名高いプラチナディスク以上のアーティストであり、俳優であり、作曲家であり、予言者であり、詩人である人物の人生を祝おうとするものである。
 『Tupac Legacy Tour』はA&M Entertainmentの副社長でありツアー・ディレクターであるMike Coatesが監修し、有名アーティストやゲストたちがセレクトされた曲を披露し、ステージ上でこの伝説のアーティストを表現する。
 錚々たるアーティスト達が参加を表明しており、バンドやDJと共にパフォーマンスを繰り広げる。参加アーティストの公式発表は数週間内になる予定。


●1996年9月13日に25歳の若さでこの世を去った2Pac。没後十年目にあたる9月に日本でもいくつかの関連商品がリリースされる予定だ。
 映像作品としては、2003年に米国で制作発表されたドキュメンタリービデオ『2-PAC 4-EVER』が、日本語字幕版DVDで9月2日に発売される(コロムビアミュージックより)。
 ナレーションをKRS-Oneが担当し、Mike Tyson, Lisa "Left Eye" Lopes, Too Short, Jon B, Bizzy Boneらが2Pacを語り彼の人生を振り返る構成となっている。2Pac本人の生前インタビュー映像は勿論、ステージやスタジオでの映像も織り交ぜた60分だ。
 2Pac最後のステージとなったライヴ音源を収録したCD『Tupac: Live at the House of Blues』も9月13日にようやく日本盤でリリースされる(ビクターエンタテインメントより)。
 既に日本版でも発売済みのDVD映像があるので、その音源だけを収録したCDの存在意義は薄いのだが、没後十周年記念商品としてのリリースであろう。
2006 May. ●1996年9月13日、凶弾に倒れ25歳の若さでこの世を去った2Pac。その衝撃的な死から十年を追悼し、1989年から1996年に至る全音楽活動を綴った書籍「Tupac Shakur In The Studio」の翻訳版『トゥパック・シャクール 音楽活動の軌跡 1989-1996』が5月20日に発売(トランスワールドジャパン発行)となった。
 十年経った今でも人々の記憶に新しい伝説的ラッパー=2Pac。音楽評論家ジェイク・ブラウンが綴ったこの書籍は、その伝説的ラッパーのこれまでの音楽活動の全記録に加え、Thug LifeとOutlawzのメンバーであるBig SykeやNapoleon、そしてJohnny Jといった制作スタッフによる独占インタビューを収録。ファンにはたまらない2Pacのレコーディング技術や曲作り、音楽への姿勢など、今まで知られることがなかった彼の新たな一面が明らかになっている。
 全米No.1のブラック・カルチャー系出版社、Amber Communications社傘下のColossus Books社から発売された原著は、米『VIBE』誌も大絶賛しベストセラーを記録した。
 激動の人生やその背景、または謎の多い銃撃事件といった部分にスポットをあてた洋書は多数出版されてきたが、『トゥパック・シャクール 音楽活動の軌跡 1989-1996』は、2Pacが人生の大半を過ごしたスタジオでの等身大の仕事に焦点をあてた画期的な書籍といえる。


●2003年にKurt Cobain(Nirvana)の人生を辿るコミック「GODSPEED: The Kurt Cobain Graphic」を出版しているOmnibus Pressが、2006年春の最新刊として『DEATH RAP: Tupac Shakur - A Life』を発売した。
 映画「Juice」で注目された後、様々なトラブルの渦中で益々存在感を強めていった矢先にNYのスタジオで銃撃され、獄中へ。Death Rowとの契約を経てLAでも激しく華々しい活躍で頂点を掴むが・・・という2Pacの人生をFlameboyがコミックス化している。
 洋書のため勿論セリフも全て英語で綴られているが、コミックで描かれた2Pacの姿はダイレクトに飛び込んでくるので、ファンならば十分楽しむことが出来る。最後の地=ラスベガスで迎えた銃撃も忠実な流れで再現されているので、その印象は改めて鮮烈なものとなるだろう。
2006 Apr. ●ラスベガスのVenetian Hotelの敷地内にある人気観光スポット=Madame Tussauds蝋人形博物館は4月5日、今は亡き2Pac (Tupac Shakur) の等身大彫像除幕式を行った。
 この彫像はTupacという人物を最も的確に再現したものとなっている。実在した当時のTupacに関するあらゆる細かなものが、この蝋人形には現れているのだ。
 Shakurの叔母であるGloria CoxはLas Vegas Review Journalに語った。「美しくて、完璧。彼の強烈な印象を余すところなく表現してる」
 Shakurの妹=Sekyiwaは除幕式に参加したが、母=Afeniはそこにいなかった。息子が銃殺されて以来、ベガスには戻っていないのだという。
 Madame Tussaudsの総支配人=Adrian Jonesは「2Pacこそ大衆が蝋人形で見たいと考える人物である」とコメントした。「お客様からのリクエストで、2Pacはずっとナンバー1だったのです」
 ラスベガス警察のDan Long刑事は「2Pac殺害事件は終結したわけではない」と語る。手掛かりは得ているものの、彼によればそれらの殆どが『大統領も関与した陰謀説』へと向かっているのだという。
 「最近電話などで取った情報の大多数が、大統領と政府の片腕が2Pacを葬ったというものなのです。私は冗談を言ってるわけではない」



●Dr. Dre, Snoop Dogg, Tha Dogg Pound (Daz & Kurupt)らを世に送り出したことで一世を風靡した西海岸の老舗レーベル=Death Row RecordsのCEO、Marion "Suge" Knightが、4月4日、資産保護のために破産保護申請を行った。
 Suge Knightは、Death Row Recordsの共同設立者であるとして損害賠償を求める訴訟を起こしたLydia Harrisとの裁判に出席せず、反証を示さなかったとして、昨年3月にLydiaに対して1億700万ドル(約120億円)の支払いを命じられ、8月にはLydiaの元夫で同様に共同設立者であることを主張する服役中のドラッグ・ディーラーMichael Harrisも法廷闘争に加わり資産を凍結されるに至っていた。
 Suge Knightは4月1日に予定されていた、資産凍結に伴う資産管理のための審問にも出席しなかったため、法廷侮辱罪にあたるとして、資産を開示するまでの期間の懲役とDeath Row Recordsの所有権を財産管理下に置くことを警告されており、Death Rowの所有権を保持するための最後の手段として今回の破産宣告となった模様。
 4日、破産申請の際に法廷侮辱罪に関する無罪を認められたSuge Knightは「Harrisのようなヤツが現れて、ここ数年Death Rowにとって試練が続いている。最後の仕事としてDeath Rowを守ることに尽力するつもりだ」とコメントを出した。
 Death Row Recordsは96年に移籍してきた2Pacの晩年録音作品の権利も所有している。
2006 Mar. ●昨年末に発売されたThe Notorious B.I.G.のニュー・アルバム「Duets; The Final Chapter」は豪華参加陣とBiggieの疑似共演満載が話題となったが、2PacはアンダーグラウンドからDJ Mix-CDで「Duets」盤がリリースされた。
 DJ MELLO & DJ CINEMAによる『Tupac/ Duets: from NY 2 CALI』は、ブレンドRemixの強みでNas, Jay-Z, Biggie, Kanye West, Slick Rick, Rakim, Big Daddy Kane, Andre 3000, Snoop Dogg, Eminem, Juvenile, Jadakiss, The Game, Cam'ron, T.I., Beanie Sigel, Dr. Dre, Young Buck, Big L, Big Pun, Fabolous, Scarface, Treach, Mary J., Ginuwineといった顔ぶれと2Pacの疑似共演を実現させている。粋なオープニングに始まり、随所にShock GらのコメントをInterludeとして挿入し、ラストのOutroまで一気に聴かせてくれるMix-CDに仕上がっている。


 ラスタファリズムへの傾倒を胸に、人々に正義を歌う男=Sizzla。超攻撃的なLyricもある一方でスローで切実なLyricもこなしてしまう・・・という点に於いても2Pacとの共通項が伺える。そんな二人のMix-CD『Tupac & Sizzla/ 2Voices-1Message』もリリースされている。
 2PacのレゲエMix/Blendとはいっても、正規Versionの楽曲も効果的にいくつか挿入されていることもあって、レゲエを普段はあまり聴かないリスナーにも十分楽しめる推薦盤だ。


 もう1枚は、Cali Untouchable DJsのDJ Fatalがリリースした『2Pac/ The Lost Tape』。
 Lost Tapesと題されてはいるが、未発表Original Version等を集めたMix-CDというわけではなく、既発曲をDJ FatalがRemixしたものを中心にまとめた作品集である。正規に発売された2Pacのアルバムは全て何度も聴いていて、改めて新鮮なRemixを耳にしたい・・・というファンには嬉しい一枚だろう。
 2PacのMix-CDはここ暫くリリースされていなかったが、今回推薦の3枚を始めとして、死後十周年である今年はMix-CDも充実作が連発されそうだ。
2006 Feb. ●2Pac遺作映画の一本でもある『GRIDLOCK'd(グリッドロック)』。アスミック/東芝デジタルフロンティアから発売されていた日本版DVDは長らく廃盤状態となっていたのだが、アスミック/角川エンタテインメントから廉価版DVDとなって再発された。
 いつもトラブルを起こしてばかりのストレッチ(Tim Roth)と、冷静だが切れると手に負えないスプーン(Tupac Shakur)は、キュートな歌声のクッキー(Thandie Newton)と3人でバンドを組み、ライブとドラッグの毎日を過ごしていた。ある日3人にデビューの話が舞い込むが、浮かれたクッ キーがドラッグのやり過ぎで倒れてしまい、生き方を変えようと誓うストレッチとスプーン。だがドラッグ絡みの殺人事件に巻き込まれ、マフィアと警察の両方に追われることに!
 「スプーン役は今まで自分が演じてきた黒人の若者のステレオタイプではなく、自分のパブリック・イメージである怒り、悲しみや暴力的な面を強調したキャラクターでもない。自分の素に近い人物だ」と生前の2Pacが語ったように、彼の人間味が非常によく滲みでた作品としてファンにとっては永遠の一本といえるだろう。
 既に廉価版DVDでも発売されているドキュメンタリー作品『Resurrection(レザレクション)』と共に、未観の方にお勧めします。


●昨年ジョージア州に設立されたTupac Amaru Shakur Center for the Artsに、ラッパーとして初のブロンズ像が建立された2Pacだが、ラスベガスで凶弾に倒れて十年目となる今年、ラスベガスのVenetian Hotelの敷地内にある人気観光スポット=Madame Tussauds蝋人形博物館に彼の蝋人形が展示されることになった。
 2Pacの蝋人形は、同博物館のミュージシャンセクションに4月5日からお目見えする「On Stage」というコーナーに、James Brown、Bono、Mick Jagger、Elton John、Prince、Elvisといったあらゆるジャンルのスーパースターと共に設置されることになっている。蝋人形になるのは、タトゥーも露わな上半身裸にバンダナ姿の2Pacで、母=Afeni Shakurから提供された数百枚にも及ぶ写真をもとに精密に制作されるという。
 Madame Tussaudsの総支配人=Adrian Jonesは「Rapアーティストの中でお客様からのリクエストが一番多かったのが2Pac。On Stageコーナーのセンターに設置する予定」とコメントしている。
2006 Jan. ●若き2Pacが一時在籍した事でも知られ、2004年にはついに解散となったDigial Underground。その彼らが2004年10月に発表したドキュメンタリーDVD『Digial Underground: RAW UNCUT』が、2005年1月20日にナウオン・メディアより日本語字幕版DVDで発売された。
 リーダーのShock Gを始めとするメンバーのインタビューやライヴ映像で活動の足跡が辿られているのだが、彼らが所属したレーベル=Tommy Boy Recordsとの共同制作でない為か、スタジオ録音音源やミュージックビデオが殆ど使われていない点が残念である。
 Digial Undergroundのメンバーだった頃の2Pacについても触れられているが、写真やステージ映像などに関しては『Tupac: Resurrection』で観る事が出来た範疇を超えていないので、2Pacファンはあまり過度な期待をしない方が良いだろう。



●ヒップホップ+R&B+ブラック・ミュージック&カルチャー・マガジン『bmr/ Black Music Review』誌(最新2月号/ブルース・インターアクションズ発行)の表紙を3年ぶりに2Pacが飾った。日本版DVD「Tupac: Live at the House of Blues」とThe Notorious B.I.G.の最終作「Duets; The Final Chapter」がリリースされた事による、2PacとBiggieの巻頭特集(全8ページ)も掲載。それぞれのニュー・リリースを解説すると共にヒット曲の紹介や二人の関係も再検証されている。
 冒頭では“これが最後の特集!?”と煽られているが、少なくとも2Pacに関しては未発表音源がまだ控えている事から・・・もう一発は特集記事が実施されると見込まれる。

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