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Tupac Shakur/ The Rose That Grew From Concrete Vol.1
(Amaru/Interscope Records 2000/069490813-2)

 トゥパックの詩集『The Rose That Grew From Concrete』(MTV Books-Pocket Books/US$20.00/ISBN 0-671-02844-8)が、豪華ゲストによってCDになった。参加メンバーだけでもスゴいのだけど、トゥパックの詩それ自体も含めてかなりいい出来のコンピなので紹介したい。まず、パック本人のイントロ用コメントと、2曲を除く全22トラックは、すべて前記詩集からそのまま引用されたものだ。そもそもパックが(たぶん)気の向くままに書き留めておいた短い詩編を、どうやって曲にできたのか。ソニア・サンチェスやニッキ・ジョヴァンニ(詩集に序文も寄せていた)、サラ・ジョーンズなどの詩人は、得意のリーディング・スタイルを披露すればいいからストレートだ(ラー・ガッデスなどはさすがに、ラテン調に乗せたリズミカルな詠みで唸らせる)。シンプルな8行詩をジャジィに語り聴かせるジャスミン・ガイ、神への賛歌をメランコリックに詠み上げるラン牧師もダイレクトな手法。そのほかは、自作の詩やラップ用のリリックと原詩を並列にしたり混在させたり、パックの詩をそのまま歌詞にしてヴォーカル曲として成立させてしまったり、あるいはタイトル・ラインだけを引用してフックを作ったり、そのアプローチはさまざま。
 とくに注目は、2種のスタイルを披露するモス・デフのひとつ。ロイ・エアーズのシロフォンに乗せて、部分的に手を入れたリーディング調からメロを付けたチャント調へと聴かせるヴァリエイションの妙は、エリカ・バドゥあたりにぴったりの曲調か。さらに圧巻なのがQ・ティップだ。女声コーラスとメロウなギターをバックに、原詩を1行ずつ交互にリーディングと歌のコール&レスポンス調に変換、しかもそのしゃべりが限りなくぶっつけのフリースタイルっぽいのだ。おそるべし、ティップ。ほかにも、マック・モールのラップとクインシー御大の語りを息子のQDIIIが組み立てたり(クインシーの娘とパックはつき合ってたしな)、原詩をまるまる歌い上げるK-Ciヘイリーの相変わらず泣ける熱さとか、デッド・プレズ、レッド・ラット、ファーサイドのトレなどなど、とにかく濃厚充実トラックの連発。
 チャリティを兼ねた企画ものながら、これだけ愛のこもった追悼コンピは珍しいし、「Vol.1」って表記にも続編への期待が膨らむ。スリーヴには歌詞未掲載なので、ファンはぜひジャケと同デザインの詩集を手にお聴きください。


(Black Music Review)

November 21, 2000 Released




2PAC+OUTLAWZ/ STILL I RISE
(Interscope Records 1999/069490413-2)

東西抗争の犠牲者となった後も、彼ら名義、または彼らをフィーチャーした作品がそれぞれ出続ける、ノトーリアスB.I.G.と2パック。彼らの名前を見かける度に、二人がどれだけ偉大なMCだったのかを痛感するのだが、そんな中またまた2パックがらみの新作が到着。彼の従兄弟を中心に構成されるアウトロウズと共にレコーディングされたという本作は、ファンお待ちかねのレイドバック感の強い曲を筆頭に、(いい意味で)耳に引っかかる変なウワモノなどが使われ、全体的になかなかの佳曲ぞろい。2パックのパートもバッチリ収録されており、彼の声/ラップの魅力も堪能できる。「彼は生きているのか?」といった論争はひとまず置いといて、純粋に耳を傾けてみる価値のあるアルバムだ。 -- remix

SPARKLE -- 舎弟グループとの共同名義ながら、2パックの死後3枚目のアルバムと言っていいだろう。同じく殺されたヤフー・フラ(カダフィ)や、ソロ活動中のフェイタルも頑張っているが、突出しているのは当然パックだ。好戦的な激言から切なげな語りまでを野太く漂うラップを聴くと、彼の得難い個性を惜しまずにはいられない。QDIIIやダズらのドラマ性を高めるトラックも、彼の男気を浮き彫りにするいい出来。女のコにもオススメ。

アウトロウズとは、マキャヴェリことトゥパック・シャクール、カダフィことヤフー・フラー、(フセイン)・フェイタル、E.D.I.、ナポレオン、カストロ等、世界中の反逆的な指導者の名を拝借したラッパーからなるグループだ。トゥパックの死後、殺害された親友フラー、一曲目に絡んでいるビッグ・サイク(別名ムッソリーニ!)の二人は94年に一枚だけアルバムを出したトゥパックのグループ、サグ・ライフに所属していたので、その発展形でもある。実際、本作には、その当時の制作陣であるジョニー・J、ソウル・ショック&カーリン等による曲も収録、曲によっては、録音済みのものに微妙に手を加えるという配慮がなされている。もっとも、トゥパックの言葉には時代を超越した強靱さが宿っているから、そんなことは必要ないのかもしれないが。 -- ADLIB

bmr / Black Music Review -- 2パックの左腕に刻まれている"OUTLAW(無法者)"をグループ名に、生前の彼と着かず離れずの師弟関係を保っていたアウトロウズ(アウトロウ・イモータルズ)。2パックの遺作映画「ギャング・リレイテッド」のサントラでも何曲か2パックと共演し、名曲"Lost Souls"等を残した彼らだが、ついに2パックとの共同作業がアルバムとなった。未発表をまとめたものなのか、2パックが彼らのためにアルバムを作ろうとした結果のお蔵入り音源なのかは不明だが、数々の2パックの名曲を生んだTony Pizarro、QDIII、ジョニー・Jらに加え、ダズやダリル"ビッグ・D"ハーパー等デス・ロウゆかりの制作陣も名を連ねた本作は、2パックの魅力がしっかりと味わえファンが納得できる好内容だ。"Keep Ya Head Up Part2"といった(4)"Baby Don't Cry"や、ネイト・ドッグとヴァル・ヤングが参加した(6)"Black Jesus"が目玉。

 また出ました2パックが生前に残した未発表作品。
 今回のアルバム「Still I Rise」は、2パックの従兄弟が中心となったアウトロウズ達との作品。アウトロウズといえばシングル"How Do U Want It"の裏に収録され、東のアーティスト達をケチョンケチョンにディスり倒した"Hit 'Em Up"でゲスト参加していた2パックの舎弟分として記憶に残っている読者も多いと思う。死後にリリースしたマキャベリ名義のアルバムでもアウトロウズのメンバーの名前を確認することができるし、プロデュース陣もジョニー・JやQDIII、ダズやクラプトなどの名前が見られる点から今回のアルバムは2パックの死の直前、つまり96年頃にレコーディングされたものだろうか?
 2パック+アウトロウズとなってはいるものの、2パックという存在の大きさや、名曲"Keep Ya Head Up"の続編や"Killuminati"なんてタイトルの曲が収録されており、アウトロウズも頑張っているけど内容的にはかつてのサグ・ライフがそうだったように、やっぱ2パックの別ユニット・アルバムっていう印象です。
 個人的には意志の強さの中に陰を感じさせるラップと、ネタ感の強い寛容的で温かみのあるトラックとゲストのヴォーカルとの対照に喚起される切なさに2パックの魅力はあると思うんだけど、そんな中でまず耳を捕らえるのが"Keep Ya Head Up"の続編となる(4)"Baby Don't Cry"。2パック自身とソウルショック&カーリンとの共同プロデュース作で、薄くループされた鍵盤とギター、フックの女性ヴォーカルと2パックの絡みが“らしい”曲。続いては(6)。鐘っぽい音と波状に広がるメロがパックの情念的なコーラスと共に沁み込み、アウトロウズも健闘。タイトルからしてやってくれそうな(10)"The Good Die Young"はシャボン玉が空に飛び行くようなゆったりとした空気に包まれる。久しぶりに名前を見たQDIIIによる(12)"Teardrops And Closed Caskets"では、ネイト・ドッグとヴァル・ヤングもバックに参加し、強硬でタメの効いたドラムと共に壮大感を演出している。また、もう一方の魅力でもあるブレス間隔の長い速射ラップも(11)なんかで聴くことができ、2パックらしさ十分といっていいはずだ。
 恐らく原曲にほとんど手を加えていないと思われる本作は、今2パックが生きていたらどんな作品を作ってくれたんだろうと、答えの出ない疑問が湧き上がって困った。
(blast)
December 21, 1999 Released


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