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2Pac Interview "Ready To Live" Part 2
俺が変われば、コミュニティも変わるだろう。そうすれば、俺が本当はどんな人間か、みんなもわかってくれるはずだ。俺の心のありかを。

(C) Kevin Powell/ 1995 Time Publishing Ventures Inc.
●強姦容疑について、何か話してもらえますか。
「ああ。ナイジェルとトレヴァーが俺をネルってクラブに連れてったんだ。着いた途端、俺は感心した。今まで行ったことのある、どのクラブとも違ってたからだ。混み合ってなくて、広くて、女も綺麗だった。俺はそこでニューヨーク・ジェッツのロニー・ロットとネッツのデリック・コールマンに会った。向こうから近づいてきて『よぉ、パック、あんたは俺たちの誇りだよ』と言ってくれたんだ。あの晩、俺はすっかりいい気になっていた。国民のヒーローから、ヒーロー呼ばわりされたんだから。のぼせあがって、後光がさしてる気分だった。
 その女には誰かに紹介されたんだ。ひとつだけ気が付いたのは、胸がデカいということだった。だが魅力的じゃあない。見た目はズングリしてた。Moneyが俺に『この女、知り合っただけじゃ物足りないってさ』と言ってきた。意味は俺にもわかってた。ファックしたいってことだ。俺はそいつらを放っておいて、独りでフロアに出た。何だったかジャマイカン・ミュージックがかかってたんで、ノッてたんだ。
 そしたら、その女も出てきて踊り始めた。ヘンな女で、顔から近づいてくるでもなく、ケツから近づけてきやがった。こっちはレゲエで踊ってるんだ。それがどんなに官能的か、あんたも知ってのとおりだろう。あいつ、俺のサオやらタマやらに触ってたと思ったら、チャックを降ろして手を入れてきたんだ。ネルには、ちょっとした暗がりがある。そこでさっきからヤッてる連中がいるのは俺も知っていた。女は俺をそこへ引っ張って行った。そうなれば、やることは決まってる。
 ふたりで片隅へ行くと、女は俺に触れてきた。俺は踊りながらシャツをたくしあげて、入れ墨を見せびらかした。女は俺の腹やら胸にキスしたり、なめたりし始めた。それから下へさがって、クソッ、あいつ、俺のモノを引っ張り出して、ダンス・フロアでそれをしゃぶり始めたんだ。それで俺もその気になった。こんなことしたら強姦容疑がかかる、なんてことは思いもしない。今夜は楽しくなりそうだと思ってた。わかるだろう?
 それが終わって、俺のがすっかり固くなったところで、俺たちはダンス・フロアを離れた。ナイジェルに『帰るよ。こいつをホテルに連れてくんだ。後でな』って言ったら、あいつは『ダメ、ダメ、俺が送ってくよ』って、ホテルまで車で送ってくれた。俺たちは部屋に入ってセックスした。あっという間だった。俺がイッたら、それでおしまい。疲れてたし、酔っ払ってもいた。翌朝、早く起きなきゃならないのがわかってたから『どうする?泊まってもいいし、帰るんならそれでもいいぜ』と言うと、女は電話番号を残して帰っていった。すべてうまくいった。
 ナイジェルは当時、俺の部屋に泊まっていた。あの女が俺のモノをフロアでしゃぶって、セックスもしたと知ると、あいつもトレヴァーもいきり立った。トレヴァーは異常に興奮するタチで、トチ狂ってた。『ケ、ケツにやったのか?』って、そればかり聞いてきた。細々としたことまでいちいち聞き出しやがって。俺も、どうせ男のやることだ、いいじゃないかと思ってた」

●強姦の容疑がかけられた夜は、何があったんですか。
「ニュージャージーのクラブ88でショウをやることになっていた。真夜中にリムジンで迎えにくるという話だったから、俺たちは買い物を済ませ、着替えをして、準備万端で待っていた。ナイジェルが『あの女に電話すれば?』と言っていた。俺たちはホテルで酒を飲みながらショウに備えていたんだが、そのうちナイジェルが『俺、あの女に電話したよ。というか、あっちから電話が入ったんだ。これから来るってさ』と言い出した。俺は、あの女のことなんか、これっぽちも考えてなかったのに。みんなでテレビでも見ていると、電話が鳴って、女が下に来ているという。ナイジェルが俺のマネージャーのMan-manに、女のタクシー代だと言っていくらか金を渡した。俺は『タクシー代ぐらい、自分で出させろよ』と言ったんだが。部屋に上がってきた女は、すっかりめかし込んで、やたら挑発的だった。ダンス・パーティーにでも行くのかと思った。
 みんなして、そこに座りこんで話をしていたんだが、女はナイジェルたちと並ばずに、俺のイスのひじ掛けに座ってるもんだから、俺も気が散ってしょうがなかった。それに、ナイジェルとトレヴァーは、女がチキンであるかのように・・・食い物であるかのように眺めている。実に居心地の悪い状況だった。だから考えたんだ。よし、俺がこの女を部屋に連れていって、マッサージさせよう、と。どうせ、その晩はネルで落ち合うつもりだったんだ。そんなわけで、二人で部屋に入って、俺はうつ伏せに寝転がり、女が俺の背中をマッサージした。仰向けになると、今度は腹をマッサージした。それが30分ぐらい続いた。時々、手を休めてはキスしたりして、俺はそろそろまた女がフェラチオをやるんじゃないかと思ってた。ところが、それを始める前に、ニガが何人か入ってきたんだ。女より、俺のほうが仰天した。女が何か言えば、俺も『ちょっと待て、これが終わってからだ』ぐらいのことは言っただろうが、女が何も言わないんじゃ、こっちも何も言えやしない。そこで『ちょっと待て』なんて言った日にゃ、あいつを俺の女と認めたも同然じゃないか。
 連中は入ってくると、女の尻に触り始めた。『オ〜、いいケツしてんなぁ』とか言いながら。ナイジェルは触ってなかったが、『パンティを降ろしちまえ。ストッキングを降ろしちまえよ』なんて言って、けしかけてるのは聞こえた。俺は起き上がると、そのまま部屋を出た。
 スゥイート・ルームのもうひとつの部屋に行ってみると、Man-manが当時の俺のパブリシストのタリバーがそっちのベッド・ルームでしばらく前から待っていると言うんで、俺はタリバーのところに顔を出して、彼女がその日どうしていたか話をした。それからソファーに寝転がって、眠っちまったんだ
 目を覚ますとナイジェルが俺をのぞき込むように立って『パック、パック』と呼んでいた。2つの部屋の明かりが全部点いていた。雰囲気が全然違っている。わかるだろう?薬でも飲まされたかと思った。どれだけ時間が経ったのかわからない。それが目を覚ましたらいきなり『おまえ、警察へ行くんだよ。警察へ行くんだ』とくる。部屋を出たナイジェルが、女を連れて戻ってきた。服も着ていたし、どこも破れていない。ただ興奮して、ヒステリックに泣き叫んでいる。『なんであんなコトさせたのよ?』そんなこと言われても、俺にはわけがわからない。『あたしはあんたに会いに来たのに。あいつらにあんなコトさせるなんて』と言われて、俺が『ここでそんな話に付き合ってる暇はないね。落ち着けよ。俺に向かって怒鳴るのはやめろ。そんな狂ったような目で俺を見るのもな』と言うと、女は『このままじゃ済まないわよ』と言ってドアをピシャリと閉めた。
 『心配ないよ、パック。心配ない。俺が何とかする。あの女、どうかしてるんだ』と言うナイジェルに事情を聞くと、『ニガの数が多すぎた』ときた。俺はすっかり目が覚めた。みんな下へ降りていって、誰も上に戻ってこない。俺が上でマリファナを吸いながら、みんなどこへ行っちまったんだ?と思ってたら、そこへタリバーから電話があって、ロビーから『警察が来ている』と連絡が入ったと言われたんだ」

●そして、あなたは刑務所入りとなった。でも、あなたの話だと、何もしていないことになりますね。
「全く何もしていない。俺が見たのはただ、3人がそこにいて、ニガが女のケツがデカいという話をしていたことだけだ。そのニガの口ぶりが気に入らなかったんで、俺は起き上がった。あの女があいつらとグルだったのか、それとも俺が守ってやらなかったんで腹を立ててるのか、それはわからない。ただ、確かに恥ずかしいと思う。俺はモメたくなかったし、痛い目に遭いたくなかったから何も言わなかったんだから」
●裁判中、あなたの女性観はどう変わりましたか。また、今はどうですか。
「訴えられた当初、俺は黒人の女を憎んだ。自ら命を危険にさらしてしまったような気がした。俺が“Keep Ya Head Up”を作った当時は、黒人の女の歌なんか誰もやってなかった。“Keep〜”は心底本気だった。リアルだった。なのに女たちは、それを証明してくれなかった。国中の女が『トゥパックにそんなことができるはずがない』と言ってくれてもいいんじゃないかと、俺は思ってた。だが実際には『ホントにやったの?』と聞かれた。
 その後、裁判が始まると、俺を支援してくれる黒人女性を見かけるようになった。今では、見方が全然変わっている。何しろ、ここの警備員は殆どが黒人女性だ。俺に特別親切にしてくれるわけじゃないが、人間として敬意を持って接してくれている。『ここを出たら、変わんなきゃダメよ』と言って、自分の子供と電話でしゃべらせてくれたりする。わかるか?俺に愛をくれてるんだ」

●服役することになったら、どうしますか。
「そうなったら、立派につとめてやるしかない。当然、傷つくだろうが、立派につとめあげてやろうじゃないか」
●最近、新しいアルバムを完成させたと聞きましたが。
「ラップか・・・、俺はもう、ラップすることにもスリルを感じない。というか、ここにいたんじゃ、自分のリリックも思い出せないんだ」
●でも、そのアルバムは出すんでしょう?
「ああ。『Me Against The World』っていうんだ。それが俺の現実だ。俺にとっては過去最高のアルバムだ。もうできちまったんだから、俺は放免だ。ラップ・アルバムを作るには、自己鍛錬が必要だ。絶えずキャラクターを演じていなければならない。厳しいことを並べ立てるラッパーがアメリカン・ミュージック・アワードでスーツを着てたりするのを見ると、俺はあの手のニガにはなりたくないと思ったもんだ。俺はずっとリアルでいたかったし、そうしてるつもりだった。でも、もうそれもおしまいだ。あんなギャングスタ・ライフなんて・・・確かに俺はそれを実践していた。作品にもした。形に残した。だが、もうそんなのはおしまいなんだ」
●刑務所を出たら、どうするつもりですか。
「お互い出所したらマイク・タイソンと組むつもりだ。カリフォルニアのモンスター・コディ(Sanyika Shakurの名で知られる)とも組む。Us Firstって組織をスタートさせるんだ。若いニガたちを救ってやりたい。あいつらを救ってやろうという人間は、他にはいないんだから。俺だって誰にも救ってもらえなかった。みんな、こっちの身に起こることを傍観してるだけ。だから、俺はギャングスタな生活ともオサラバだ。あんなもんでもリアルならば、他の誰かにリプレゼントさせときゃいい。俺はもうたくさんだ。俺はそれを地で行きすぎた。俺がギャングスタ・ライフそのものだったんだ。命を張ってるニガなんて、俺しかいなかったんだから」
●他に誰か、あなたの力になってくれる人はいなかったんですか。
「ここへ入ってから、40通ほど手紙をもらった。小さな女の子が金を送ってくれたり、みんな神様は俺の味方だと書いてくれている。俺を撃った連中が憎らしい、俺のために祈る、と。俺が死んじまえばよかったと書いてきた男も、確かにひとりいた。だが、俺を気にかけてくれている人達もいる。ジェイダ・ピンケット、ジャスミン・ガイ、トレッチ、ミッキー・ローク。俺のレーベルのインタースコープも、すごく力になってくれている。マドンナだってそうだ」
●マドンナやミッキー・ロークとの関係を教えてもらえますか。
「誰を友達にすればいいか、俺は周囲に流されるままになっていた。俺はこんなブラック・パンサーまがいのニガだから、マドンナとは友達になれっこないと思ってた。だから彼女を避けてたんだ。彼女の方からは愛情以外の何ものでもないものを示してくれていたというのに。申し訳ないと思った。何しろ、俺が投獄された時、彼女に電話したら、彼女は積極的に力になってくれようとしたんだから。大した人だよ。ミッキー・ロークにしても同じことだ。彼はとにかく俺の友達でいてくれた。黒人とか白人とかいうんじゃなくて、ただの友達同士。これからは、俺は黒人だということにこだわらない。クインシー・ジョーンズにも謝ったんだ。彼と白人の奥方について、俺があれこれ言ったことを。ヒューズ兄弟にも謝りたい。ただし、ジョン・シングルトンはちょっと別だ。あいつのお陰で、俺は脚本を書く気になった。あいつのライヴァルになりたいからだ。あいつ、俺を『Higher Learning』から降板させた後、次の役者に俺のアイディアをくれちまったんだ」
●身の安全は心配ですか。
「死の恐怖すら感じない。ひとつだけ怖いのは、昔の俺に戻ること。こんな場所だから俺がイイ子ぶってると思われたくはないが、これからの俺の人生は、誰かを救うためにあるんだ。俺がリプレゼントすべきなのは、生きるということだ。リアルであろうと思うなら、それでこそリアルというものだ。つまり、体も心も健全であれということ。ニガたちには、教育を受けてもらいたい。今までの俺は、みんなを学校から遠ざけるように働きかけていたようなもんだ。でも、学校は行かなきゃダメだ。学校へ行けば、仕事にもありつける。仕事にさえありつけば、どうしようもない目には遭わずに済む」
●今度のことで、ラップがさらに非難を受けることになると思いますか。
「ああ、それは間違いない。だからこそ、俺にこういう仕打ちをするんじゃないか。俺を止められれば、あと30人は生まれる前のラッパーをストップできるだろうから。だが、今の俺には他にわかったことがある。ラップはひとつの芸術形態だと本気で言ってるんなら、俺たちはそれを実践して見せなければいけないということだ。自分たちのリリックに、もっと責任を持たなければいけない。自分が言ってることのせいでみんなが死んじまうようなことになったら、問題はそう仕向けたかどうかじゃない。救ってやらなかったことが問題なんだ」
●“Keep Ya Head Up”にはマーヴィン・ゲイの名前が出てきますが、内なる葛藤という点で、あなたと彼を比較した人は多いですよ。
「俺もそう思う。マーヴィン・ゲイやヴインセット・ヴァン・ゴッホには、近いものを感じる」
●ゴッホとは、なぜまた?
「死ぬまで、誰にも作品を評価されなかったじゃないか。それが、今じゃ何百万ドルもする。彼には親近感を覚える。どれだけ彼が苦しんでいたか。彼も、マーヴィンもそうだ。俺も外にいる時はそうだった。今はこうして刑務所にいる。でも、俺は自由だ。心は自由なんだ。悩むのは、寝るときだけだ」
●つまり、今の自分に満足しているんですね。
「こうして更正したのも、天の恵みだ。これは神のおぼしめしだ。俺なんか何の役にも立たないと言い放った連中には・・・、俺の目標は、そうやって俺を亡き者とした連中に赤っ恥をかかせてやることだ。何しろ、俺はまだ若いんだから。それに、俺は俺のオフクロの子供でしかないのかもしれないが、現実には、俺はみんなの子供なんだ。わかるか?誰に育てられたわけじゃない。俺は、この社会に育てられたんだ。だが、俺はもうそれを言い訳に使ったりしない。気持ちを引き締めて、俺は変わるんだ。俺が変われば、コミュニティも変わるだろう。そうすれば、俺が本当はどんな人間か、みんなもわかってくれるはずだ。俺の心のありかを。
 ギャングスタ・ライフだけなんて、ただの無知だ。俺の気持ちは、常に正しい位置にあった。誰も殺してないし、誰もレイプしていない。正当でない犯罪・・・つまり自己防衛の目的以外で犯罪を犯したことは一切ない。それをみんなに証明して見せてやる。俺の本当の気持ちを、俺の真実のハートを見せてやる。俺のオフクロがどんな男を育てたかを見せてやる。みんなを誇らしい気持ちにしてやろうじゃないか」

[ END ]


『VIBE』(April 1995)
Interviewed by K. Powell / Translated bt K. Someya





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