●Death Row Recordsに在籍し、共に活動していた2Pacとあなたの間に起きてしまった仲違いとは何だったのでしょうか? |
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PacがLas Vegasで殺される前、俺達はMTV Video Music Awards出席のためNew Yorkにいたんだ。その時にPacがNasと面会した公園で、HOT97のAngie Martinezが俺にインタビューしてきたんだ。Nasは50人くらい引き連れてて、Pacは30人くらい引き連れてたかな。セントラル・パークで、PacはNasに向かって行き絡みついたんだよ。そりゃあ凄まじい絡み方だったぜ。 |
Pacがヤツのところに歩み寄って絡みつくと、Nasは「パック、俺はあんたといざこざを起こす気は毛頭ないんだ。俺はあんたの作る曲は大好きだしな」と言ったんだ。するとPacは「あぁそうかい、もしお前が俺といざこざを起こす気がないってのなら、俺がもうすぐリリースするレコード(『Makaveli: The 7day Theory』)で、お前やBiggieにJay-Zをボロクソにこき下ろしてるが、それを聴いても俺の曲を大好きだと言えるのなら、俺に対するレコードを作るな。そしたら、俺ももうお前にかまわねぇよ」って言ったんだ。
そういう感じだった。俺はその場に居たんだ。俺がその輪の中に居たんじゃなく、輪の外で見ていたんだ。Nasの後ろに四歩ぐらい下がったところに立ってた。PacはNasと話している最中も時々俺を見ていたんだ。 |
俺の方は15人くらい引き連れてたが、俺自身はその騒動に関わらずただ見ていたんだ。とにかくPacは完全にヤツを圧倒してたな。それでこの騒動が終わった後、Angie Martinezが俺にインタビューしてきて、彼女は「スヌープ、あなたはあれに参加してなかったみたいだけど」って言ってきたから、「俺はあの二人の問題には関わってないよ」って答えたんだ。彼女は「ラジオ局に来てそのあたりについて話してもらえないかしら?」って言ってきて、俺には何の問題もなかったから、彼女とHOT97のスタジオに行ったんだ。
局でのインタビューが進んで30分ほどしたら、彼女が「ビギーとパフィについてはどう思う?」って尋ねてきたんだ。俺は「あぁヤツらか。俺は好きだね、いい曲を作るじゃないか」って答えたんだ。それが原因だね。そう、その一言が俺とPacの間に大きな溝をつくったのさ。 |
Pacは俺が裏切ったと感じたんだ。俺とPacはあれから一言もしゃべらなかったな。それから俺がホテルに戻った時、俺の部屋にPacは仲間を寄こしてきて、そいつが「パックがマリファナを5本くれと言ってる」って伝えてきたから、俺は「パックをここに連れてこいよ。どうしてヤツ自身が来ないんだ。とりあえず1本やるよ」と言ったんだ。そしたらPacから電話がかかってきて「よぉドッグ、こっちにもっとハッパをくれよ。ビッチ達がいるんだ」と。それで俺は「わかったよ」と答えて、Pacの仲間にもっとハッパを渡したんだ。 |
それから暫くして飛行機でLos Angelesへ戻る時に、あいつらは俺に一言も話しかけなかった。Pacの自家用機に俺のボディガードでさえも一緒に乗せてくれなかったんだ。あいつらが俺のガード達に「お前らは乗せられない」って言うから、俺一人とあいつら全員って状態になった。機内では、誰一人として俺に一言も話しかけないんだ。空港に着陸してから、俺には俺のロールス・ロイスが迎えに来て、あいつにはあいつの迎えが来たんだ。俺はそこで「おい、パック。ベガスに行くのか?」って声をかけたら、あいつは何も言わずに苦々しい顔で振り返っただけだった。そう、それだけで終わっちまったんだ。 |
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Los Angelesへ戻って、俺がWarren Gの家に居る時だった。突然ポケベルが鳴り始めて「ニュースを見ろ」って知らせが来たんだ。俺達が慌ててテレビをつけてみたら、黄色いテープが引かれたSuge KnightのBMWが映ってて、あのニュースが流れてたんだ。それで俺はSugeに電話をかけて「どうなってんだ、大丈夫か?」って尋ねると、ヤツは「大丈夫だ、俺は頭を撃たれたんだが。パックも動いてるし、大丈夫だ」って答えてきたんだ。 |
それで俺は、叔父のMarcusやKennyと一緒に車に乗って、Sugeの家まで行ったんだ。俺達が着いた時には、尋常じゃないほどみんな暗く悲しみに沈んでた。だから俺達は、奥の部屋にそっと入らせてもらったんだ。それにしても、Sugeの言動はとてもさっき銃で撃たれた男のそれではなかったな。ヤツはタバコを口にくわえて「ドギードッグ、パックはバカだぜ。あのクソったれどもが突然撃ち始めた時、パックは後部座席に跳び移ろうとしたから、俺はあいつが撃たれないように引っ張って押さえたんだぜ」って話してたんだ。
俺はSugeの話を聞いてて、ヤツの態度が今さっき怪我をした男のようじゃなく、嬉しそうにしてやがったのが気にいらなかったが、「そうか、わかった」と答えたんだ。でも、俺と叔父さんは顔を見合わせて「何か間違ってるよな?」って言ってたのさ。 |
次の日俺達が病院に行ったら、Pacは全く動いてなかったんだよ。Pacのお袋さんのAfeni Shakurもそこにいたし、Jesse Jacksonも居たな。Pacの容体を目の当たりにした俺が泣き崩れたもんだから、Afeniは俺を抱きかかえて支えてくれた。俺はもう、ただただ泣き叫んで、吐いたりもした挙げ句、気も失っちまって・・・もうめちゃくちゃだったんだ!
あれは本当にクレイジーだった。Pacは俺の大切な親友だったし、こんなにふざけたことで全てが終わっちまうなんて、本当にクレイジーだ。
とにかく俺は泣き崩れてた。するとAfeniは俺をトイレに連れていってくれて、気丈にも俺の相手をしてくれたんだ。彼女は俺を外にも連れ出して、とにかく暖かく接してくれた。彼女は「パックはあなたのことが本当に大好きだ、といつも語ってたのよ」って言ってくれて、俺は涙が止まらなくなってしまった。「こんなとんでもない時に彼女はなんて強くいられるんだ、信じられない」って思ってたよ。Pacが死んでしまってから、俺が次にAfeniに会ったのは母の日で、お袋とAtlantaへ行った時なんだが、彼女は様々な事を教えてくれた。ここでは話さないが、本当に凄いことだった。それ以来、俺は常にPacのお袋さんを気にかけてるんだ。Pacがどれだけ母親を愛してたか知ってるしな。 Afeniのためならどんな事でも喜んで協力するつもりさ。 |
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Pacのスタイルを盗んだり、あいつを自分の曲に使うヤツら・・・特に、Pacにこき下ろされて小突き回されたヤツらがあいつの作品を使うなんてのはインチキ以外の何物でもないね。もし誰かが俺をこき下ろして、そいつが死んだとしたら・・・俺はそいつの作品を使って、俺達は仲が良かったんだって具合にレコードを作るなんて出来やしないぜ。それは、俺にとってはイカサマとしか考えられない。考えてみろ、もしそいつが生きてたら、俺を追いかけまわしてたんだぜ。まぁPacが生きてたら、Ja Ruleは存在もしてなかっただろうな、本当に。
DMXは成功すべくして成功したよな。ヤツはPacの代わりみたいなもんだったしな。Pacが死んだ時にDMXがパックに一番近い存在だったからな。DMXは「くそくらえ」ってな具合に強くいられるヤツだったから皆共感できたんだろう。しかしJa Ruleみたいなヤツは間違いなくこの業界にはいられなかっただろうな。おっと、もう既に業界にはいないんだった。50Centがヤツを消したからな(笑)。 |